プロンバナンは本当に何もなく、外でゆっくり出来る場所もない。
さすがに2日目は辛いので日帰りでバスでジョグジャに行く事に。
これが31年ぶりのジョグジャ訪問。
40分ほどで町に着いたが、Malioboroを行く道が封鎖されており、運転手が困惑していた。
結果だいぶ離れた所で降ろされた。
白髪、ロンゲ、短パン、杖、肩にデカいカメラを提げた亀仙人みたいな雰囲気のおじいさんが、俺もマリオボロだ、ついて来い、みたいな感じて連れて行ってくれた。
Malioboro着いてみて、愕然。
イメージと全然違っていた。
安宿街と勘違いしていたが、安宿街ではなかった。
それどころか整備された綺麗な通りに、とんでもない数のインドネシア人観光客。
人だかりを見て気持ち悪くなり、 さっさと帰りたい衝動に駆られた。
大通りは封鎖されており、沿道の人々が通りに注目していた。
市長か誰かお偉いさんが来るのだろうか。
バスが通れなかったのも、このためだった。
そしてパトカーに先導されて数台の車が通る。
1台の車だけ窓が開いていて、一瞬、中の人の顔が見えた。
「あれ?ジョコ大統領?」
興奮で気持ちが高ぶった。
しかし周りからは黄色い声も歓声も聞こえない。
「ジョコ」って聞こえたような、聞こえなかったような。
少なくとも熱狂的な感じは一切なく、勘違いかな、とも思った。
さすがに大統領は来てないか。
でそのまま離れ、駅方面に歩く。
ジョグジャ駅前。記憶にある通りの一つはここ。
そう、なんとなくこんな感じだった。
でも当時はもっと田舎っぽかったかなあ。
そもそも観光客はいなかったから、そこが全然違う。
1本目の路上 曲がると、
「あっ、こんな感じの風景に見覚えがある」と なんとなく記憶と合致する場所があった。
ここが安宿街マリオボロだと勘違いしていた通り。
ここはおそらく 31年前の表情がかなり色濃く残っている。
当時 宿泊した「Losmen Superman」も健在。
ただ値段が当時の4、5倍になっていた。
駅でバンドン行きの列車について確認。
そしてマリオボロからプロンバナン行きのバスに乗る。
少し走ると迎賓館みたいのがあり、警官が周囲を取り囲んでいる。
バスの中にいた人が、少しざわついている。
窓の外を見ると、さっき車の中にいた人が歩いてる。
やっぱりどう見てもジョコ大統領。
周りの人はそこまででもないが、自分だけ心の中でかなり興奮していた。
人口 2億7000万、世界4位の国の大統領が目の前にいるのだ。
そして自分と大統領の時間軸と空間軸が、今この時間と場所にぴったり合ったという事が実はすごい。
これだけでも今回旅に来た価値があった思えた。
やっぱ旅の前に言ってたようにインドネシアには何か縁があるのだろうか。
しかしジョコ大統領を見て気分が高揚した自分にびっくりした。
こんな気分が高揚することがあるんだ、って。
でも普通の日本人からしたら大したことないのかな。
そもそも インドネシアの大統領が誰なのかも知らないだろうし 顔も知らないのかもしれない。