48歳人生落伍者の軌跡~無職無能、楽園を探してアジアを彷徨う

旅でも移住でもない。アジアの町でただ生きていくだけ...

【旅】旅であった将来不安な人たち

18歳の時大学を休学してオーストラリアにワーホリで行った。

オーストラリアでは何故か25歳前後の人との出会いが多かった。

長期の旅ができるのは大学時代のみ、って考えてた自分からすると、社会人になってから仕事を辞めて海外へ1年行くなど考えられなかった。

就職したらあとは60歳までは働くのが当たり前だと思っていたのだ。

この人たちは人生の一番大事なこの時期に仕事を辞めて海外に1年もいて大丈夫なのか?とか人の心配をしていた。

少なくとも学校卒業して最低3年なり5年なりの仕事経験を積まないといけないと考えていたし、25歳大卒だとすると、その最低限の仕事経験もしてないだろうし。

 

19歳の時、インドへ行った。

去年約30年ぶりに訪問したカニャークマリでの事。

海岸沿いを歩いていると、突然上の方から声が聞こえた。

「日本人ですかー??今そっちに行くから待っててー」。

すごい勢いで降りてきた日本人女性。

29で当時の自分の10歳上。

その時は30歳=もうおばさんって思ってたから、なんでこの人はこんな年齢になって結婚も仕事もせず、インドをほっつき歩いてるんだ??とか心の中で思ってた。

jack-k.hatenablog.jp

今考えると、まだ20代。全然若いし全然問題ないんだけど。

去年このカニャークマリに行った時に、この海岸や出来事があった場所を探してみたが全く分からなかった。うっすら覚えているイメージに合う場所は全くなかった。

そもそもカニャークマリも町自体、どこに行っても全く記憶に合致するところがなかった。

こんな像があるとは思ってなかったし、人もこんな多かった感じもしなかったし、正直30年前の事は全く覚えてない。

あの時会った人は今定年の60歳を超えている筈。

どういう人生をおくっているのだろう。

 

そして時は経ち、自分が30過ぎた。

そして自分がオーストラリアで会った人と同じような立場になった。

いい年してまだ仕事もせず海外ふらふらしてるのか、ってその頃には自分に対して思っていた。

この頃から色々勘ぐられるので、極力日本人には会いたくないなと思っていた。

そしてこれは今も続く。

そういえば日本人ってこういう性質がある。

まあ言葉の関係もあるけど、日本人以外ではこと細かく過去の事などを聞いてくることはない。

他人には無関心に見えて、実はすごく気にしている人が日本人には多い気がする。

 

30過ぎで行ったハジャイでの事。この前行った時もこの件を思い出した。

サムイ島までバンに乗った時、一人の日本人の人が先客として乗っていた。

隣だったので当然色々話すことになる。

その人は40過ぎ。確か42か43だったと思う。

自分が32~33歳位だった時。

自分ももう正社員でまともな職につけないんじゃないかとかなり将来について不安に感じていた頃。

目の前の人はそんな自分より10歳も上。

更には無職で海外を意味なくふらふらしている人がいる事に驚いた。

 

外見的にはかなり衰えている感じで、老人っぽい雰囲気すらある感じ。

静かで落ちている性格だからそう見えたのかもしれない

サムイに長期滞在していて、毎日バーに行ってビール1本でずっとねばって、女の子と話しているというようなことを言っていた。

その後どうするのか聞くと「いや、何も考えてないけど。」

ただ目の前の人は40歳すぎ。もう就職なんて無理だろう。

それで自己啓発など何もやらずビールを飲んで過ごしているって大丈夫なのだろうかって思った。

 

それから10数年の時が流れた。

そして自分は50歳を超えた。

相変わらずほぼ無職状態。海外をふらふらしている。

上記のすべての人を凌駕する一番心配な人になってしまった。

 

まさか自分が50歳過ぎてこんな状況になってるとはね・・・。

それも今は旅が楽しくて、とかでなく、日本や人生が辛くて逃れているだけ。

 

大学生時代の自分が今の自分を見たらどう思うだろうか。

間違えなく、50歳でこの状況。この人どうかしてる、って思うだろうな。

ただ実際は思ったより悲観的な状況ではない。

こんな仕事能力のない、生涯年収も同年代最低レベルの人間でも、工夫しながら、楽しいかは別にして、海外逃亡しながらも生きていけている。

住み心地が良いか否かは別にして、日本で生まれた事は幸運だったのかもしれない。

このままなら人生何とか逃げ切れそう……かな?